――創業からものづくりにの光悦
最初は科学分析など動きのないものの設計から始まって、それから動いて物を作っていくもの、動いて処理をするっていう動きのある設計に移っていきましたね。いろんな業界のものをやらしてもらいました。その時の時代で、仕事の量もいろいろ違うんですけど、今は食品機械、産業用ロボット、そういう風なものが中心になっています。あとは、それに付随した現場で、ものづくりとか組み立てとかを仲間内で協力しながら、数社でそれに対応して結果を出しているという感じです。
――動きをトレースして具現化する
手の動きと同じような動きをしたかったら、なるべく手の動きと同じように動くものを考えてやる。そういう何とかしようと、何とか人間の体の動きに近いものを作ろうというのが基本的にありますね。
人の動きっていうのは独特じゃないですか。無駄な動きもあって、その無駄な動きも一緒に入れてやるように考えるから人間に近いもの、目標が「人」なんですね。産業用ロボットのはじまりは特にそうですね。人の代わりをするわけです。
――「人間だったらどうしたい?」を意識
動かない科学品もそうですけど、科学で何か分析したら、「人間だったらそのあとどうしたいか」ということを考えるようにしています。科学品の動かないものでも、「その次にどういう動きをしてやろう」「人だったら・・・?ここに気づいてこうしたいだろう」じゃあ、この動かない分析機器も次にこういうものを調べてやろうという風に考えるようにはしています。
――井藤会長の少年時代は
私はネジがあったら緩めたいし、蓋があったら外したい。昔の子どもですね。自転車のチェーンを外してみたいとかね。そういう風なのはあったかもしれないです。
何でも分解しちゃいます。組み立てられないのにね。分解してバラバラになった親父の腕時計、そんなものが箱にいっぱい入っていて、それが身についているかって全然ついていないんですね(笑)。ばらすのが楽しかったんでしょうね。物を目で見るって大事だし、やってみるのも、確かに大事ですね。