――光悦の機械設計の軌跡
初めての機械設計の仕事としては、石油とか燃料なんかの液体のものを分析するプラントでした。その次は工場の中の紙とかフイルムをコーティングしたり、段ボールをずっと作ったりする長物のライン等の工場内の設備ですね。
そのあとに一番やったのが、ちょうど時期的にプリント基板業界が元気が良くなって、プリント基板です。多層板の生産ラインの機器設計でした。やっている途中で今度は液晶です。液晶のカラーフィルターの製作ラインの機器設計ですね。その合間くらいからずっと食品機械は併用して、最初から一から教えてもらいながら進めていたんです。液晶開発が終わった頃辺りから、ちょうど食品機械の仕事の依頼が多くなって、そちらのほうにだいぶ力を入れてやる時間が多くなりましたね。
――大学研究機関の機械設計も
研究機関のラボの機械は、本当に未知の世界でした。マッコウクジラにカメラを付けて、ダイオウイカと戦う姿を撮るとかね。そのカメラを開発しろとか面白いことを言いますよね。本当に予算次第で思い付いたことをバンバンやれそうな世界ですね。
――プロジェクトを動かしていくことも
例えば、製生産機械の各条件をこう上するプロジェクトです。いろいろな案があって、違う方法で物を焼くとか蒸すとかいろいろ考えた時に、誰かがやらないと始まらないんです。要はなかなか社員の方たちっていうのは動けないっていうので、あえて「うちでやってみましょうか」って言って会社に出向くんですよ。もう出向のようにして毎日通うんです。現場と設計をして、こうしようああしようとどんどん……営業アプローチです。やはりそれをしないと新しいことって進まないですね。
――役に立つことは何も惜しまない
自分たちが知っていること、自分たちがやってきたことで、役に立つことはうちは何も惜しまないで出したいんです。それで成功してもらいたいのです。私たちの会社は、お客さんが成功してくれるとちゃんとお金が入るんですよね。お客さんが失敗するとお金が入らないから、成功できるように仕事するわけです。極端に言えば、付き合っている人に出世してもらいたいというつもりでやっています。